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建設業における障がい者雇用の壁を突破!農園活用で「やりがい」と「全社の一体感」を生み出す持続可能な雇用を実現

左から、代表取締役社長 宮崎 正治様、取締役副社長 土井啓次様
企業様情報
| 企業名 | 中井商工株式会社 |
|---|---|
| 創業 | 1972(昭和47)年5月 |
| 事業内容 | 土木、とび土工、鋼構造物、塗装、防水、石工、浚渫、解体、舗装、水道施設 |
| 本社 | 大阪府大阪市東成区玉津2丁目1番5号 |
障がい者雇用に関する課題
- 障がい者雇用の法定雇用率が未達だった
- 専門性の高い業務が多く、オフィス内での適切な業務切り出しが困難だった
- 障がいのある方にやりがいや誇りを持って働いてもらえる環境が整っていなかった
- 障がいのある方が希望する労働条件と会社の求める条件とのミスマッチや、ハローワーク等の紹介数の少なさから採用・マッチングが進まなかった
- 法定雇用率達成のためだけではなく、やりがいをもって取り組める業務を提供したかった
はーとふる農園を利用してよかったこと
- 法定雇用率を達成できた
- 障がいのある方の仕事へのやりがいと定着を実現できた
- 採用現場の障がい者雇用に伴う負担を軽減できた
- 障がい者雇用を含め、企業全体で社員の一体感を醸成できた
- 社内コミュニケーションの活性化とエンゲージメント向上につながった
- 社外ステークホルダーに対する企業イメージの向上につながった
企業様へのインタビュー
橋梁の補修工事などを中心に、土木建築業を手がける中井商工株式会社様。
同社では、創業当時から自社開発のDNAが培われており、工事会社でありながらメーカーとしての役割も兼ね備えています。
橋や高速道路の腐食の要因となる“継ぎ目からの浸水”を防ぐ「止水材」などを筆頭に、現在も商品開発に注力しています。
長年、公共工事に携わる中で、社会貢献への意識が根付いているという同社には、2025年7月より宮城県名取市の「はーとふる農園」をご利用いただいています。
どのような成果があったのか、代表取締役社長 宮崎 正治様にお話を伺いました。
【課題】専門性が高く、イレギュラー対応が発生するデスクワークが多く、障がいのある方にやりがいを持って働いてもらえる環境がなかった

―農園導入を検討し始めたきっかけや背景について、教えてください。
宮崎様:これまで、障がい者雇用には何度も挑戦してきたものの、適性に応じた業務を提供できる場所がなく、悩んでおりました。
当社はインフラを守る土木建設業であり、本社のデスクワークも、データ入力といった一般事務よりも、専門性の高いCAD操作や取引先への発注・納期の交渉といった業務が多くを占めています。
また、イレギュラーな業務の発生も多く、できることが限られてしまいます。
加えて、通院や投薬のタイミングなど、障がいのある方が希望する働く条件と、会社が求める条件とがマッチせずに採用を見送ったケースもありました。
そこで、既存社員と平等の仕事量で、かつ、障がいのある方ご自身が誇りを持って取り組める仕事はないかと模索していたのです。
背景にあったのは、「誰もが無理なく、笑顔で働ける環境を社内に作れないか」という社内での議論でした。
当時は、障がい者雇用が法定雇用率に届いておらず、まずは達成の必要がありました。
しかし、ただの法定雇用率を達成するためだけの人数合わせではなく、障がいのある方にやりがいを持って働いて欲しいと考えていたのです。
現在も社内で、障がいのある方が勤務されていますが、今後、法定雇用率が上昇することから雇用者数が増えることは間違いありません。
未経験からでも日常的に、かつ安全に取り組んでいただける業務の提供を、オフィス外で検討していく必要があると課題に感じていました。
【選定】農園で働く方々が、自分の仕事に誇りを持って生き生きと働く姿が最大の決め手に

―課題解決のために、どのように情報を探しましたか?
宮崎様:ハローワークや地域の就労支援機関に相談をしていましたが、就労を希望する障がいのある方の紹介がわずかで、マッチングが叶いませんでした。
そこでインターネットで他社の成功事例を検索する中で知ったのが「はーとふる農園」です。
「はーとふる農園」を利用して法定雇用率を達成している企業のWebサイトに掲載された紹介を読み、障がいのある方たちが和気あいあいと働いている様子に興味を引かれました。
「土に触れて作物を作る」という、誰もがやりがいを実感しやすいお仕事で、屋外で四季を感じながら働けるところが素敵だと思いましたし、農園に常駐する専門スタッフの方が同じ目線で温かく伴走してくれる点も良いと思いました。
ほかにも野菜づくりの就労サービスがあるのかと調べてみたところ、工場内で水耕栽培をされていたところもありましたが、土に触れ、自然を感じることができる、はーとふる農園の環境の方に強く惹かれました。
―最終的に「はーとふる農園」を選んだ決め手は、何ですか?
宮崎様:「はーとふる農園」の営業担当方にお話を伺った後、実際に農園を見学させていただいたのですが、農園で働く方々の「生き生きとした笑顔」と「心のこもった明るい挨拶」に触れたことです。
義務感だけで働くのではなく、本当に自分の仕事に誇りを持って取り組んでいる姿を目の当たりにしたことが最大の決め手となりました。
また、名取農園が当社の東北支店から車で15分程度の近距離にあることも、ポイントでしたね。
―導入を決める際、経営層に対してはどのように調整されましたか?
宮崎様:トップである私自身が進めていたので、調整の難しさなどは特にありませんでした。
これも当社の大切な事業であり、社会貢献活動の一つとして捉え、「障がいのある方を雇用し、働きがいのある業務を与えたい」というマインドは役員間で一致していたので、一任してくれました。
【効果①】利用開始を機に部署を創設、名刺も作成!

―現在、「はーとふる農園」をどのように活用されていますか?
宮崎様:2025年7月1日の利用開始以来、2名の方に、「本社 人事総務部 グリーンハートチーム」として勤務していただいております。
障がい者雇用も通常の採用の一環と考え、会社の一員として迎え入れるという意味で、新たな部署を創設しました。
チーム名は、社員が意見を出し合って決めたものです。
採用した2名の方には、名刺も作成しました。
後からスタッフの方に聞いた話では、農園で働くほかのメンバーに、名刺を嬉しそうに配っていたとのことでした。
彼らは「自分たちが育てた美味しい野菜を、社内のみんなにも届けたい!」という強い責任感と誇りを持って仕事に取り組んでくれています。
社員に提供している福利厚生である東京ディズニーリゾート特別優待も、同じように適用していますが、これが仕事へのモチベーションにもつながっているようです。
法定雇用率の達成はもちろん、「はーとふる農園」を利用しはじめたことで、新しい雇用のかたちを作ることができました。
適材適所で働く場所の提供ができ、採用の現場サイドにも募集から業務提供までのプロセスに大きなゆとりが生まれました。
導入前は、名取農園が本社からは遠隔地にあることから、農園で働く二人の社員のことは東北支店長に委ねたものの、「本社の社員と心理的な距離ができてしまい、孤立してしまうのではないか」といった不安がありました。
しかし、蓋を開けてみると、支店長が私以上に丁寧に見てくれており、心配は杞憂に終わりました。
「はーとふる農園」のスタッフさんにも、障がいのある方、一人ひとりの個性や心の揺らぎに寄り添っていただきつつ、毎週の彼らの目標設定をサポートしていただき、助かっています。
彼らの安心感と安定就労の源になっていると感じます。
【効果②】野菜の配布を通して「遠くにいる大切な仲間」との認識が根付く

―社内の雰囲気や「障がい者雇用」に対する社員の意識に変化はありましたか?
宮崎様:名取農園へは、近距離にある東北支店のメンバーが定期的に訪問したり、本社や他支店から東北地方に出張したりする際には、率先して農園に立ち寄るなどして交流を図っています。
訪問の前後では、部署の垣根を越えて「訪問してきたよ」「私は種まきの体験をさせてもらった」「まだ行けていないから行ってみたい」といった会話が交わされています。
収穫された色鮮やかなベビーリーフなどの野菜が各拠点に届くと、社員が「今回の野菜も味が濃くて本当に美味しい!」と大喜びで持ち帰っており、自然と「遠くにいる大切な仲間」としての存在感が社内に根付いています。
野菜の配布を通して「うちの社員が一生懸命育てた野菜」と受け止められ、
現場の社員にとっても障がい者雇用が身近な取り組みになりました。
配属先である人事総務部のみが関与するのではなく、全社的につながりを持つことで、障がい者雇用に対する理解が深まっているのではないかと感じています。
社内エンゲージメントの向上にも寄与しており、より多様性を尊重する企業風土へとつながっていけばと願っていいます。
「あの野菜、どう調理した?」と、普段、接点のない社員同士が会話するきっかけが生まれ、組織の一体感向上に思わぬ波及効果をもたらしています。
また、当社のホームページにて「誰もが自分らしく働ける社会の実現に向けた取り組み」としてお知らせを発信したところ、お取引先様やステークホルダーから好意的な反応をいただきました。
新卒採用などにおいても、社会課題に誠実に向き合う企業姿勢をアピールできる材料となっています。
「誰もが自分らしく働ける社会の実現に向けた取り組み(中井商工株式会社さまホームページより)」
【展望】今後の法定雇用率の引き上げや事業の成長を見据え、将来的な増員も検討中
―「はーとふる農園」を活用した今後の展望をお聞かせください。
宮崎様:現在雇用している2名が長期的に安心して働ける環境を維持することが最優先ですが、今後の法定雇用率の引き上げや事業の成長を見据え、将来的な増員も視野に入れています。
「はーとふる農園」には、引き続き、現在の高い定着率を維持するための手厚いサポートをお願いしたいですね。
また、社員向けの農園見学会や収穫体験イベントなどを企画し、相互理解と社内浸透をさらに深めていきたいと考えています。
―「はーとふる農園」を一言で表現すると、どのようなサービスだと思われますか?
宮崎様:企業側の雇用の課題を解決し、障がいのある方に安心とやりがいを提供する、「持続可能な課題解決ソリューション」です。
その理由は、私自身も農園へ何度か足を運んでいるのですが、障がいのある方にやりがいを感じながら働いていただき、これからも働いてもらえるという点にあります。
当社の課題だった障がい者雇用が、すでに1年以上良い状態で継続されており、今後も働いてもらえそうであるという意味でも「持続可能」なイメージを強く持っています。
―最後に、障がい者雇用に悩み、導入を検討している企業のご担当者様へ向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
宮崎様:当社のような建設業において、自社内だけで業務を切り出し、最適な就労環境を整えることは非常にハードルが高いのが現実です。
無理に自社完結を目指すのではなく、外部の専門スキームを有効活用することは、法定雇用率の達成だけでなく、現場の負荷軽減やESG経営の推進という観点からも非常に合理的な経営判断となります。
まずは専門家に相談し、多様な選択肢を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
―貴重なお話をありがとうございました!
2026年8月27日インタビュー
※掲載の数値情報・名称等は、インタビュー時のものです。


