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【2026年最新】法定雇用率引き上げのポイントと企業に求められる雇用のポイント

近年、少子高齢化に伴う人手不足が深刻化するなかで、企業における障がい者雇用の重要性がますます高まっています。特に法定雇用率の引き上げは、事業規模を問わず多くの企業にとって早急な対応が求められる重要なテーマとなっています。
企業の労働環境の整備や法改正への対応において、最新の雇用率改定のポイントを押さえ、段階的な引き上げに合わせた体制を構築することが急務と言えます。
この記事では、法定雇用率の引き上げに関する基礎知識から、企業が押さえるべき対応のポイント、さらには事業継続や人手不足の解消に向けた具体的な雇用形態の活用法までをわかりやすくご紹介します。
※本記事では、法令・制度の正式名称は「障害」、それ以外の一般的な表現は「障がい」と表記しています。
法定雇用率の引き上げとは?押さえるべき基礎知識
法定雇用率は、企業が雇用すべき障がい者の割合を定めたものです。2026年7月にはこの割合が引き上げられ、対象となる企業の範囲も広がりました。まずは制度の仕組みと、今回の改定で何がどう変わったのかを整理しておきましょう。
法定雇用率の仕組みと近年の改定背景
法定雇用率とは、障害者雇用促進法にもとづき、事業主が常時雇用する労働者数に対して雇用しなければならない障がい者の割合を指します。具体的には、常用労働者数に法定雇用率を掛けた人数(法定雇用障害者数。1人未満の端数は切り捨て)以上の障がい者を雇用する義務が課されます。
この割合は固定されたものではなく、労働市場における障がい者の割合の推移などを勘案し、少なくとも5年ごとに見直すことが法律で定められています。近年の引き上げも、この定期的な見直しにもとづくものです。
引き上げの背景にあるのは、「共生社会」の実現という国の政策理念です。障がいの有無にかかわらず、希望や能力に応じて誰もが職業を通じて社会参加できる社会を目指すという方針のもと、段階的に基準が高められてきました。同時に、労働力人口が減少する日本において、多様な人材の活躍を前提とした組織づくりが企業側の課題としても浮上しています。
なお、雇用率の算定にあたっては、障がいの種類や程度、労働時間に応じてカウント方法が異なります。週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は原則0.5人としてカウントされ、重度身体障害者・重度知的障害者を週30時間以上で雇用する場合は1人を2人分としてカウントできます(ダブルカウント)。また2024年4月からは、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者についても0.5人として算定できるようになりました。
段階的な引き上げスケジュール(2.5%から2.7%への遷移)
今回の引き上げは、2023年に決定された段階的なスケジュールの最終段階にあたります。民間企業の法定雇用率は次のように推移してきました。
| 時期 | 民間企業の法定雇用率 | 対象事業主の範囲 |
|---|---|---|
| 2021年3月~2024年3月 | 2.3% | 常用労働者43.5人以上 |
| 2024年4月~2026年6月 | 2.5% | 常用労働者40.0人以上 |
| 2026年7月1日以降 | 2.7% | 常用労働者37.5人以上 |
2026年7月1日から、民間企業の法定雇用率は2.5%から2.7%へ引き上げられています。あわせて、国・地方公共団体などの公的機関の雇用率も引き上げられました。
なお、注意が必要なのが報告義務との時期のずれです。毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告する義務がありますが、2026年6月1日時点の報告では引き上げ前の2.5%を基準に不足の有無が確認されます。7月以降の新基準にもとづく不足は、翌年の報告で顕在化することになります。「今年の報告では問題なかった」という状態が続くとは限らないため、現時点で2.7%を基準にした自社の状況を確認しておくことが重要です。
参考資料:厚生労働省 東京労働局のお知らせ「障害者の法定雇用率引き上げのお知らせ(令和8年7月以降)」障害者の雇用をすすめるために|東京労働局
対象となる企業の範囲と規模(対象企業拡大のポイント)
今回の改定でとりわけ影響が大きいのが、雇用義務の対象となる企業範囲の拡大です。対象は常用労働者40.0人以上から37.5人以上へと広がり、これまで義務の対象外だった常用労働者40人未満の企業も新たに対象となるケースが生じています。
ここで見落としやすいのが、「37.5人」という数え方です。この人数は在籍している常用労働者の頭数ではなく、週の所定労働時間に応じて換算した数値です。週30時間以上の労働者は1人、週20時間以上30時間未満の短時間労働者は0.5人として合計します。たとえばフルタイム社員が36人で、週20〜30時間のパートタイム社員が4人いる企業であれば、36人+2.0人=38.0人となり、対象に含まれます。
「正社員は40人に届いていないから対象外」と自己判断していると、知らないうちに義務を果たせていない状態になりかねません。まずは換算後の常用労働者数を正確に集計することが出発点です。
もう一点、あわせて確認したいのが除外率制度です。除外率は、障がい者の就業が一般的に難しいとされる業種について、雇用義務の算定基礎となる労働者数を一定割合控除できる仕組みですが、2025年4月1日から各業種で一律10ポイント引き下げられました。これにより、それまで除外率が10%以下だった業種は制度の対象外となっています。除外率設定業種に該当する企業では、除外率の引き下げと雇用率の引き上げが重なり、必要な雇用人数が一度に大きく増えるケースもあるため、注意が必要です。
法定雇用率引き上げに伴い企業に生じる課題とリスク
引き上げへの対応が遅れた場合、企業にはどのような影響が生じるのでしょうか。財務面の負担、採用面の難しさ、そして受け入れ体制の課題という三つの側面から整理します。
実際のデータを見ると、対応が容易ではないことがうかがえます。厚生労働省が公表した令和7年(2025年)の「障害者雇用状況」集計結果では、民間企業に雇用されている障がい者数は70万4,610.0人と過去最高を更新しました。一方で実雇用率は2.41%にとどまり、当時の法定雇用率2.5%には届いていません。法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%で、過半数の企業が未達成という状況です。基準が2.7%に上がったことで、達成のハードルはさらに高くなっています。
雇用未達成時に発生する納付金制度と行政指導
法定雇用率を満たせない場合、まず考えられるのが障害者雇用納付金の負担です。常用労働者数が100人を超える事業主は、法定雇用障害者数に不足する障がい者1人につき月額5万円の納付金を納める義務があります。仮に2人不足している状態が1年間続けば、5万円×2人×12か月で年間120万円の負担となります。
反対に、法定雇用率を超えて雇用している場合には、常用労働者100人超の事業主には超過1人あたり月額29,000円の障害者雇用調整金、100人以下の事業主には一定数を超えて雇用している場合に1人あたり月額21,000円の報奨金が支給されます(いずれも支給対象人数が一定数を超える部分は減額されます)。納付金制度は罰則ではなく、事業主間の経済的負担を調整する仕組みとして設計されています。
なお、常用労働者100人以下の事業主には現時点で納付義務はありませんが、厚生労働省の労働政策審議会では、納付義務の適用範囲を100人以下の事業主へ拡大することについての議論も行われています。中小企業においても、中長期的な視点での体制づくりが求められる状況です。
納付金以上に注意したいのが、行政指導のプロセスです。雇用率が未達成の場合、ハローワークから「障害者の雇入れに関する計画」の作成命令が出されることがあります。その後は計画の実施、適正実施勧告、企業名公表を前提とした特別指導という段階を踏み、改善が見られない場合には厚生労働省のホームページで企業名が公表されることもあります。企業名公表は採用活動や取引関係、従業員の帰属意識にも影響しうるため、金銭的負担以上に重いリスクと言えます。
参考:エスプールプラス「法定雇用率の引き上げはいつから?2026年7月に2.7%への変更と対象企業を解説」https://plus.spool.co.jp/article/statutory-employment-rate-increase.html
人手不足下における障がい者採用・業務切り出しの難しさ
法定雇用率の引き上げは、すべての企業に同時に適用されます。つまり、多くの企業が同じタイミングで採用市場に参入することになり、障がい者採用の競合が一気に激しくなります。人手不足が続く労働市場において、後手に回った企業ほど採用に時間がかかる構造です。
さらに難しいのは、採用の前段にある「業務の切り出し」です。障がいのある方に担っていただく業務を用意できないまま採用を進めると、入社後に任せる仕事が見つからず、本人のモチベーション低下や早期離職につながってしまいます。近年はIT化・自動化によって、かつて定型業務として切り出しやすかった社内の軽作業そのものが減少しており、職域の確保に悩む企業が増えています。
また、雇用される方の障がい特性の構成が変化している点も見逃せません。近年は精神障がいや発達障がいのある方の雇用が増加を牽引しており、身体障がいのある方を前提とした従来の職務設計や配慮のあり方では対応しきれない場面が生じています。設備面のバリアフリー化だけでなく、業務量の調整やコミュニケーションの取り方といった、運用面の設計が重要になっています。
社内理解の醸成と職場環境・サポート体制整備の遅れ
制度対応を人事部門だけの課題として進めてしまうことも、よくある落とし穴です。実際に一緒に働くのは受け入れ部署の従業員であり、現場の理解や準備が不足していると、指導役の負担が一部の社員に集中し、「面倒な業務が増えた」という受け止め方につながってしまいます。
障害者雇用促進法では、事業主は過重な負担にならない範囲で、個別の事情に応じた「合理的配慮」を提供することが義務づけられています(2016年4月施行)。しかし、配慮の内容は障がいの種類や程度、本人の希望によって異なるため、画一的なマニュアルだけでは対応できません。本人との対話を通じて必要な配慮を確認し、現場と共有していくプロセスが必要です。
加えて、体調の変化や生活面の不安といった、業務範囲を超えた相談に企業だけで対応するのは容易ではありません。専門的な知見を持つ外部機関との連携体制を持たないまま雇用を進めると、課題が生じたときに対処が後手に回りやすくなります。
法定雇用率引き上げに対応するための3つの重要ポイント
ここからは、引き上げに対応するために企業が取り組むべきことを、優先順位に沿って3つのポイントとして整理します。
ポイント1:自社の雇用状況の再確認と段階的な計画策定
最初に取り組むべきは、現状の正確な把握です。次の順序で確認しましょう。
- 換算後の常用労働者数を集計する(週30時間以上は1人、週20〜30時間未満は0.5人)
- 除外率設定業種に該当するかを確認する(2025年4月の引き下げ後の率で計算)
- 法定雇用障害者数を算出する(常用労働者数×2.7%、1人未満は切り捨て)
- 現在の雇用障がい者数をカウントルールに沿って集計する(重度のダブルカウント、短時間の0.5カウントなどを反映)
- 不足人数と、いつまでに何人採用する必要があるかを明確にする
ここで重要なのは、不足人数を一度に埋めようとしないことです。採用を急いだ結果、業務の準備が整わないまま入社に至れば、早期離職を招き、翌年度に同じ課題を繰り返すことになります。「いつまでに何人」という数値目標と、「そのために業務と受け入れ体制をいつまでに整えるか」という準備計画をセットで描き、四半期単位などの段階的な計画に落とし込むことが現実的です。
法定雇用率2.7%の場合、法定雇用障害者数は、「常用雇用労働者数×2.7%」で算出し、算出した数の1人未満の端数は切り捨てます。まずは自社の常用雇用労働者数を当てはめ、必要な雇用障がい者数と現在の雇用状況との差を確認することで、不足の規模を可視化することから始めましょう。
参考:クラウドサイン「【2026年7月~】障害者の法定雇用率引き上げとは?改正のポイントや企業の対応を弁護士が解説」https://www.cloudsign.jp/media/statutory-employment-rate/
ポイント2:既存業務の棚卸しと適性に合わせた業務の再切り出し
必要人数が見えたら、次に取り組むのが業務の棚卸しです。「今ある職種のなかで任せられそうな仕事を探す」というアプローチでは、多くの場合、適した業務が見つかりません。有効なのは、既存の業務プロセスを工程単位まで分解し、その中から切り出せる作業を組み合わせて一つの職務として再構成する方法です。
具体的には、次のような視点で洗い出すと候補が見つかりやすくなります。
- 各部署で「本来の担当業務の合間にやっている付随作業」(データ入力、書類のスキャン・整理、備品管理、発送準備など)
- 属人化していて手順書がない繰り返し作業
- 複数部署に分散していて、まとめれば一定の業務量になる作業
この棚卸しは、人事部門だけでは完結しません。各部署へのヒアリングを通じて工程を可視化する必要があります。手間はかかりますが、この過程で暗黙知になっていた業務や非効率な手順が明らかになるため、組織全体の業務改善につながる副次的な効果も期待できます。整備されたマニュアルは、他の従業員の教育や引き継ぎにも活用できます。
一方で、事業特性や執務スペースの制約から、社内での業務創出に限界があるケースも少なくありません。その場合も、まず自社内で切り出し可能な範囲を洗い出したうえで、不足分を社外の働く場で補うという順序で検討することが、ノウハウの蓄積という観点からも望ましいと言えます。
ポイント3:定着率を高めるための職場環境づくりとサポート体制の構築
採用は入口であり、雇用率を安定的に維持するには定着が前提となります。離職が続けば、その都度採用をやり直すことになり、負担は増え続けます。定着に向けては、次の三点を押さえておきましょう。
入社前の相互理解:職場実習や体験実習を通じて、実際の業務内容と職場環境を事前に確認していただく機会を設けます。入社後のギャップが小さいほど、定着率は高まります。
社内の役割分担:指導や相談対応を特定の社員に任せきりにせず、複数名で分担する体制を整えます。受け入れ部署に対しては、障がいの特性や必要な配慮について事前に研修を行い、「なぜこの配慮が必要なのか」を共有しておくことが、現場の納得感につながります。
外部機関との連携:就労定着支援事業所(障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービス。利用期間は1年ごとの更新で最長3年)や、都道府県知事が指定する障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ)と連携することで、本人の体調変化や業務上の悩みに早期に対応できます。このほか、ハローワークの専門援助部門、地域障害者職業センターのジョブコーチ支援、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の各種助成金も活用できます。
多様な雇用形態の活用法|新たな障がい者雇用の選択肢
法定雇用率への対応を考えるうえで、「自社オフィスに出社していただく」という前提だけでは選択肢が限られます。ここでは、複数の雇用形態の特徴と限界を比較し、自社に合った組み合わせを検討するための視点を整理します。
従来のオフィス出社型・在宅雇用のメリットと限界
オフィス出社型は、既存の従業員と同じ空間で働くため、日々のコミュニケーションが取りやすく、業務の進捗や体調の変化に気づきやすいという利点があります。社内に雇用のノウハウが蓄積されやすく、ダイバーシティ推進の観点でも効果が大きい形態です。一方で、通勤が負担になる方には応募のハードルが高く、執務スペースや設備の制約、そして前述の「切り出せる業務がない」という課題に直面しやすい形態でもあります。
在宅雇用は、通勤の負担がなく、居住地に関わらず採用できるため、母集団を広げやすい点が強みです。体調に波がある方でも働きやすい環境をつくれる可能性があります。ただし、在宅で完結する業務を用意できるかが前提となり、データ入力や資料作成などに業務が限られやすいという制約があります。また、日常的に様子が見えないため、孤立や体調悪化の兆候を把握しにくく、定期的な面談やオンラインでのコミュニケーション設計が不可欠です。
なお雇用率の算定上は、週20時間以上の勤務が原則としてカウント対象となります。週10時間以上20時間未満の勤務についても、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者であれば0.5人として算定できるため、短時間勤務からの段階的な就業も選択肢になります。
農園型の障がい者雇用支援サービスなど外部ソリューションの活用
社内での業務創出に限界がある場合の選択肢として広がっているのが、外部事業者が提供する就業環境を活用する形態です。その代表例が、農園を活用した雇用の仕組みです。
農園型の障がい者雇用は、企業が農園の一区画を利用し、障がいのある方を自社の従業員として直接雇用して農園での業務に従事していただく仕組みです。就労移行支援や就労継続支援といった障害福祉サービスとは異なり、雇用契約は利用企業と本人の間で結ばれ、雇用管理の責任は企業が負います。
たとえば日建リース工業株式会社が運営するはーとふる農園では、施設・設備の提供に加えて、募集活動の代行から採用時の手続きサポート、就業後の定着支援までを一貫して行う体制が整えられています。採用前には就農体験実習を実施し、本人の希望や適性と作業内容の適合性を確認したうえで選考に進むため、入社後のギャップを抑えやすい設計になっています。
作業はビニールハウス内で行われるため天候に左右されにくく、種まきから栽培、収穫までの工程がマニュアル化されている点も特徴です。腰高の栽培ベッドを用いる高床式砂栽培を採用し、かん水や温度管理は自動化されているなど、身体的な負担を抑える工夫がなされています。現地には農業指導員と、介護福祉士・精神保健福祉士などの資格を持つ支援スタッフが常駐し、日々の体調管理や業務上の相談に対応します。
一方で、こうした外部サービスの活用にあたっては、押さえておくべき論点があります。農園型を含む「障がい者雇用ビジネス」については、雇用率の達成のみを目的とした利用への懸念が指摘されてきました。2022年の障害者雇用促進法改正時には、衆参両院の附帯決議で、単に雇用率の達成のみを目的として雇用主に代わって障害者に職場や業務を提供するビジネスの利用について、事業主への周知・指導等の措置を検討することが求められています。厚生労働省では実態調査を継続し、事業者および利用企業に向けたガイドラインの策定に関する議論が進められています。
重要なのは、外部の環境を活用する場合でも、雇用主としての責任は自社にあるという点です。2022年の法改正では「雇用の質の向上に向けた事業主の責務」が明確化されており、雇用した方の能力開発やキャリア形成への関与が求められています。導入を検討する際は、次の点を自社の言葉で説明できる状態にしておきましょう。
- 面談・評価・処遇決定に、雇用主としてどのように関与するのか
- 本人の能力開発やキャリア形成に、どう関わっていくのか
- 農園での成果物を、自社の事業や社内活動にどう位置づけるのか
業務創出と定着支援を両立する持続可能な雇用の仕組み
ここまで見てきた各形態には、それぞれ強みと制約があります。したがって現実的な解は、いずれか一つを選ぶことではなく、自社の状況に応じて組み合わせることです。
たとえば、社内で切り出せる業務についてはオフィス出社型または在宅雇用で受け入れ、社内では業務創出が難しい分については農園型などの外部の働く場を活用する、といった設計です。この組み合わせにより、社内に雇用のノウハウを蓄積しながら、必要な雇用規模を確保することが可能になります。
持続可能な仕組みとするために共通して必要なのは、次の三点です。
- 業務が継続的に存在すること:一時的なプロジェクト業務ではなく、年間を通じて安定的に発生する業務を確保する
- サポートする人が孤立しないこと:指導役を複数名で分担し、社内で相談できる体制と、外部の専門機関につながる経路を用意する
- 本人のキャリアが描けること:任せる業務の範囲や難易度を段階的に広げ、評価と処遇に反映する
法定雇用率は今後も見直しが続く可能性があります。その都度対応に追われる状態から抜け出すには、「今回の不足を埋める」という視点だけでなく、次の引き上げにも耐えられる仕組みを設計する視点が求められます。
まとめ
2026年7月1日から、民間企業の法定雇用率は2.7%へ引き上げられ、雇用義務の対象も常用労働者37.5人以上へと拡大しました。これまで対象外だった企業も新たに義務の対象となっているため、まずは換算後の常用労働者数と法定雇用障害者数を正確に把握することが第一歩となります。
対応が遅れた場合には、納付金の負担や行政指導、企業名公表といったリスクが生じます。一方で、多くの企業が同時に採用市場に参入することを踏まえれば、早く着手した企業ほど有利に進められるという側面もあります。
取り組みの要点は、現状把握と段階的な計画策定、既存業務の棚卸しによる職域の確保、そして定着を見据えた受け入れ体制の構築です。そして自社内での環境整備に限界を感じる場合には、はーとふる農園のような外部の専門リソースを組み合わせることも有効な選択肢となります。その際も、雇用主としての関与のあり方をあわせて設計することが、雇用の質を担保する鍵になります。
法定雇用率への対応は、単なる数値目標の達成ではありません。多様な人材が力を発揮できる組織をつくるプロセスそのものです。次の見直しにも耐えられる仕組みづくりに向けて、まずは自社の現状を確認することから始めてみてください。

